喫煙率50%以上のパチンコ店も原則屋内喫煙禁止に。分煙対策をすれば喫煙も可能?

大当たりを引いて、余裕そうに『フカ~…』とたばこを吸っている人、なかなか当たらず、イライラしながら次々とたばこに火を付ける人。パチンコ店ではそんな人々をよく目にします。
しかし、4月1日に施行される『改正健康増進法』により、すべての商業施設において原則屋内喫煙禁止になります。当然ながら、パチンコ店もこの商業施設に含まれます。何を隠そう喫煙率50%以上のパチンコ店にとって、この改正健康増進法による屋内禁煙化は50%以上の顧客を逃してしまうことになりかねないのです。
それはどうしても避けたいところですが、一体どのような対策をとれば、喫煙者にも非喫煙者にも楽しんでもらえるパチンコ店でいられるでしょうか?
目次
パチンコ店でできる受動喫煙対策
改正健康増進法で1つ気になるのが、『”原則”屋内喫煙禁止』というように、”原則”とついている点です。これは、完全なる禁煙ではなく、分煙などの一定の条件を満たした受動喫煙対策をとることで『屋内の喫煙が可』ということになります。
改正健康増進法では屋内において2つのスタイルで喫煙が可能と発表されています。
★分煙室など特定のエリア内での加熱式たばこの喫煙
★喫煙ブース内での紙巻たばこの喫煙
加熱式たばこでの喫煙者の場合、分煙されたパチンコホール内では喫煙が可能ということです。
パチンコ店では、分煙室など特定の遊戯エリアを設置するか、喫煙ブースを設置することで望まない受動喫煙の防止対策をとることができます。
パチンコホールの分煙方法と条件
パチンコ店においての喫煙率は50%以上と言われています。中には、遊びながらたばこを吸いたい人、たばこを吸うのが目的な来店客もいる現状です。パチンコホール内を全面禁煙にしてしまうと深刻な客離れを招いてしまうため、分煙対策は不可欠と言えます。
パチンコホールにできる分煙方法としては『加熱式たばこエリアの構築』と、『喫煙ブース設置』がありますが、煙の流入を防ぐ対策として下記の3点が条件になります。
- 吊り天井や垂れ壁などによる区画
- 喫煙室等へ向かう気流風速0.2m/s以上
- 屋外への煙排出
引用元:https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/houkoku/060300c.html
それでは上記の条件をクリアするにはどのような分煙方法があるでしょうか。
フロアスタイル別の分煙方法をご紹介します。
ワンフロアの分煙対策の場合
- 喫煙室を設置(遊技スペースは禁煙)
- 加熱式たばこエリアを設置
- 喫煙室と加熱式たばこエリア設置
喫煙室を設置
喫煙室を設置するという方法では、置き型の分煙ボックスや喫煙専用の部屋を構築することで分煙対策を行うことができるようになります。
分煙機の設置についての詳細は下記の記事をご覧ください。
また、エアーカーテンなどで分煙をする場合の注意点などについては下記の記事で解説しております。
加熱式たばこエリアを設置
パチンコ店に訪れる喫煙者の多くは、遊戯をしながらたばこを吸っているかと思いますが、4月1日以降は遊技場で紙巻きたばこを吸うことはできません。
ただ、改正健康増進法は『加熱式たばこ』には紙巻きたばこと比べて規制が緩く、『加熱式たばこ専用エリア』を構築することで、遊戯をしながら加熱式たばこのみを喫煙することができるようになります。加熱式たばこ専用エリアを構築するときの注意点などは下記の記事をご覧ください。
喫煙室と加熱式たばこエリア設置
喫煙室と加熱式たばこエリアを両方とも設置することで、より喫煙者に寄り添った環境を作ることも可能です。健康増進法の改正が迫っているとはいえ、いまだ『たばこをすいながらパチンコをしたい』と思っている利用者は決して少なくないはずですので、どちらも設置して、非喫煙者も喫煙者も双方が気持ちよく遊戯できる環境を整えることが大切です。
多階層の分煙対策の場合
多階層の場合は、禁煙フロアと、加熱式たばこエリアを設置することが可能です。煙は上に向かって上がる性質を持つことから、上階に加熱式たばこエリアを設置することが条件であり、喫煙室の設置もまた同様です。
分煙によるパチンコ店へのメリット
それでは分煙によるパチンコ店へのメリットはどのような点があげられるのか、考えられる例をご紹介してまいります。
- 喫煙客も非喫煙客もパチンコを楽しむことができる
- これまでたばこのニオイなどが原因で来店しなかった非喫煙者の来店が見込める
- フロア内清掃の効率化につながる
- たばこのニオイが苦手で働けなかった方も働きやすい環境になり、採用の幅がひろがる
これまでたばこの煙がもくもくとしていてたばこのニオイこそがトレードマークともいえていたようなパチンコ店。実はそれが原因でパチンコ店へ足を運ばなかったお客もいるかもしれません。女性は、妊娠などの影響で、いつもはパチンコ店に通っていた方でも、一定期間は行けないなんてこともあります。
特に、加熱式たばこエリアを構築することでは、しっかりと喫煙客も逃さずに受動喫煙対策ができます。新規顧客の獲得、採用の幅がひろがる点から、パチンコ店側が受ける分煙のメリットは大きいと言えそうです。
分煙によるパチンコ店へのデメリット
パチンコ店の入店は、高校生でなければ18歳以上の方から入店が可能です。しかし、20歳以上しか喫煙ができないと法律で定められている点から、パチンコ店のスタッフでも20歳未満のスタッフは加熱式たばこエリア、喫煙室の清掃などの業務は行うことができません。
また、来店客の50%以上が喫煙客という点から、喫煙室の混雑、また、加熱式たばこエリアのパチンコ台が足りなってしまうということも考えられます。
加熱式たばこエリアと禁煙フロアの配分や、喫煙室の設置場所なども検討する必要がありそうです。
まとめ
パチンコ店にとって、屋内原則喫煙禁止というのは大打撃とも言えるでしょう。ですが、分煙対策をすることによって、新規顧客や潜在層の求職者の獲得も可能になります。この機会をピンチととらえるか、チャンスととらえるか。どちらですか?
分煙対策を万全にして4月からのパチンコ店もこれまでと変わらずにぎわいを見せていきましょう。