大型商業施設はどのように分煙を行うべき?

4月1日に施行された改正健康増進法に、多くの施設では原則屋内禁煙となりました。もちろんそれは大型商業施設も同様です。大型スーパーや大型スポーツ観戦場などの各種大型施設ではすでに屋内禁煙もしくは分煙されている場合が多いかもしれませんが、4月1日に定められた新たな分煙基準を満たしていなければ、分煙措置として認められません。
そこで本記事では、大型商業施設における効果的な分煙対策方法について解説してまいります。
目次
大型商業施設における分煙対策の実施例
まずは、大型商業施設における分煙対策の実施例からご紹介いたします。
阪急西宮ガーデンズ (兵庫県)
阪急西宮北口に直結する生活提案型のショッピングモール内に、9箇所の喫煙スペースが設置されました。1階に3箇所、2階に2箇所、3階~5階に各1箇所ある喫煙スペースは、全てインテリアが異なり、屋上庭園内のスペースも含め、バリエーション豊かに設置されています。268店舗が集い、西日本最大級のスケールを誇る空間で、幅広い層の人々に利用されています。
多くの人々が集うからこそ、分煙対策で喫煙者と非喫煙者の心地よい共存を図った例です。
イオンレイクタウン (埼玉県)
“人と自然に「心地よい」”をコンセプトとし、「kaze」と「mori」の2つの街区で構成された日本最大のエコ・ショッピングセンター内に、喫煙スペースが設けられました。“大人”をテーマとするトライアングル・モールの「kaze」には、フードコートを含み計7箇所、ビューティーゾーン&オートモール&ニューファミリー・ゾーンの3区画を要する「mori」には計4箇所の喫煙スペースが、それぞれ配置されています。ウォーカブル(=歩き易い)・ユニバーサル(=誰にでもやさしい)・コミュニティ(=憩いの場となる)というキーワードととも合致した喫煙スペースで話題を呼んでいます。
分煙対策は町の人々のだれもが過ごしやすい環境を作るための施策ともいえるでしょう。
山口県 ショッピングモール
山口県のショッピングモールでは、屋外に分煙ボックスを設置し、分煙を行いました。屋外での喫煙は基本的にブースの設置などは義務付けられておりませんが同施設の喫煙者への配慮として、屋外で雨の日でも喫煙ができるようにと、喫煙ブースを設置したとのことです。駐車場の付近への設置が、お客への配慮と心づかいを思わせます。
ポイ捨てなどの防止対策にも役立つことになるでしょう。
大型商業施設が分煙をしなければ起こりうるデメリット
上記でご紹介した例の他にも、普段訪れるショッピングモールでもトイレ付近などに喫煙室が設置されているのを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。はたまた屋外に灰皿が設置されているといった場合もあるでしょう。
では。大型商業施設が分煙を行わなければ起こりうるデメリットはどのようなことがあげられるのか、下記に言及してまいります。
ポイ捨てが起こる可能性がある
まず、大型商業施設以外での多くの施設や店舗では、分煙されている施設にお客が流れてしまう可能性があるなどの集客に対する懸念点がありますが、大型施設では、わざわざ喫煙を目的に訪れるといった方は少ないということが予想できますので、喫煙ができるかできないかで集客に大きな影響が出てくるということは考えにくいです。
ただ、喫煙室の設置がない場合、喫煙客がたばこを吸った吸い殻をポイ捨てしてしまう可能性は出てくるかもしれません。
屋外のどこでも喫煙してしまうお客が出てくる
また、ポイ捨て問題と少々似通っていますが、喫煙室の設置がない場合、お客は屋内での喫煙こそしないものの、屋外のどこでも喫煙をしてしまうといったケースが増える可能性もあるかもしれません。
屋外の喫煙については出入り口から一定の距離を保った場所でなければならないなどの規制は今のところありませんが、喫煙をする場所によっては屋内に煙が入ってきてしまう可能性もあり、屋内を禁煙としている意味がなくなってしまう場合もあるでしょう。
喫煙者とのトラブルの懸念
このように、ポイ捨てや、思わぬ受動喫煙で、喫煙者と非喫煙者同士がトラブルに発展する可能性もあります。喫煙者としては、規制のない屋外でたばこを吸っただけ、非喫煙者にとっては、法令が改正されたのに意味がないという結果になってしまうのです。
こうしたトラブルを避けるためにも、大型商業施設などの多くの人が利用する施設では、屋内外問わず喫煙所の設置が必要です。
分煙パーソナルボックスは屋外への設置も簡単
分煙をする方法は、喫煙室の設置から、パーソナルボックスの設置、エアーカーテンなどの設置など様々な方法がありますが、大型施設である場合、工事などで加盟店舗の営業にかかわってくる可能性もありますので、パーソナルボックスの設置が比較的スムーズに進む方法です。
というのも、分煙を行うには、禁煙の場所に煙が流れていなかないような技術的基準という基準をクリアしていなければなりません。つまり、この基準を満たしていない場合は分煙措置とは認められないというわけです。
喫煙室の設置やエアーカーテンの設置などの場合ですとどうしても技術的基準等をクリアするよう、綿密に工事を進めていく必要がありますが分煙ボックスの設置であれば、技術的基準はすでにクリアしており、スペースさえ確保できれば屋内外問わず簡単に設置することができます。
4月1日までに分煙が間に合わなかったが、これから分煙をしたいという大型商業施設では、分煙パーソナルボックスの設置が押すす目です。
まとめ
本記事では大型商業施設における分煙対策について解説いたしました。多くの方が集まる場所であるからこそ思わぬトラブルを想定して、誰もが心地よく過ごすことができる空間づくりをしていかなければなりません。そのためにも、屋内外問わず分煙パーソナルボックスを設置する必要があります。
コロナウイルスの影響による休業中にこうした工事を行った施設もあるかもしれませんが、もしまだであるという施設がありましたら、お気軽に分煙対策くんまでご相談ください。