大型飲食店における分煙対策方法

健康増進法の改正を目前に控え、全国的に禁煙・分煙対策が進められています。さらに地域や自治体でも禁煙・分煙に関する条例が定められつつあり、今後はさらにこの流れが加速していくと予想されます。飲食店では店舗を全面禁煙にする、喫煙専用所を設けるなど分煙対策に取り組んでいる店舗も少なくありません。

分煙対策には手間やコストがかかるといった不満の声もあります。しかし分煙対策を徹底することで集客率や業績がアップしたという例も出ています。手間やコストがかかる面もありますが、それ以上の利益も期待できるでしょう。今回は大型飲食店において分煙・受動喫煙対策を行うメリットや、逆に行わないことで生じるデメリットについてお伝えしていきます。

大型飲食店が分煙にするメリット

非喫煙者層へのアピール

広範囲の敷地を持つ大型店舗では、喫煙席と禁煙席を遠ざけるといったようなあいまいな分煙対策をしていた店舗もあるかと思われます。しかし健康増進法の改正により、分煙には厳密なルールが設けられるようになりました。

【喫煙専用室の条件】

1.出入口の風速を毎秒0.2m以上確保

2.たばこの煙が漏れないように壁・天井等によって区画

3.たばこの煙を屋外に排気

これらの条件を満たすことでたばこの煙を吸いたくない、ニオイが気になるという客層を集客できるようになります。受動喫煙対策がしっかり取られた店舗だと認識されることで、新たに非喫煙者やファミリー層などのお客様が獲得できるようになるでしょう。また分煙対策に取り組むことは、従業員の健康リスク排除することにも繋がります。従業員の健康に配慮し、受動喫煙から守る企業として認識されるようになるでしょう。

ゴミ処理、掃除時間の軽減

喫煙を喫煙専用所に限定することにより、吸い殻などのゴミを一ヶ所に集め、掃除にかかる手間を削減することが可能となります。たばこの煙やヤニの影響があるのも喫煙専用所だけなので、広範囲における壁紙や調度品の劣化も防げるでしょう。

喫煙者層の呼び込み

近年では屋外喫煙所もどんどん撤去されており、喫煙者が出先でたばこを吸えないという悩みを抱えています。喫煙者には食後に一服楽しみたいという人もいますが、全面禁煙の店舗だとたばこが吸えません。しかし喫煙専用所を作ることにより、出先や食後にたばこを吸いたいと考える喫煙者への訴求になります。店舗の入り口などに「喫煙専用室」があることを示す標識を掲げておきましょう。

大型飲食店が分煙にしなければ起こりうるデメリット

分煙対策を行わないことで生じやすいデメリットとして、非喫煙者層を遠ざけるといったものが挙げられます。2018年にJTが行った「全国たばこ喫煙者率調査」では以下の数字が発表されました。

・成人男性の平均喫煙率:27.8%

・成人女性の平均喫煙率:8.7%

日本国内において非喫煙者が多数派となっています。分煙対策を行わないことで、これら非喫煙者層を取りこぼしてしまうことは大きなデメリットとなるでしょう。

また改正健康増進法では、未成年の喫煙エリアへの立ち入りも制限されます。禁煙・分煙対策をしていない喫煙可能店舗には未成年が入れなくなります。ファミリー層や学生層を取りこぼすことになるでしょう。さらにこの条件はスタッフにも適用されます。料理の配膳はもちろん清掃でも立ち入りできなくなるので、未成年の学生アルバイトを雇っている店舗は対策を考えなければなりません。

広範囲の分煙においておすすめの分煙方法

分煙にはさまざまな方法があります。室内分煙の場合には、主に以下のような分煙対策方法が考えられます。

・エリア分煙

喫煙専用室を設け、喫煙エリアと禁煙エリアに分ける分煙方法です。喫煙エリアの煙やニオイが外に漏れないよう細心の注意を払ってください。

・フロア分煙

複数階を持つ店舗で導入しやすい分煙方法です。フロアごとに喫煙・非喫煙の区分を行いましょう。たばこの煙は上昇する性質があるので、喫煙フロアは禁煙フロアよりも上階に必ず設けてください。

・分煙キャビン

店内に喫煙用のキャビンスペースを設けて喫煙可能とする分煙方法です。設置場所の制約が少なく、短時間で作業が完了するというメリットがあります。喫煙専用室を設けるよりも低コストで分煙対策が実行できますよ。キャビンの内部には、たばこの煙やにおいをしっかり除去できる設備が整っています。喫煙者/非喫煙者の双方が快適に過ごせるでしょう。

 

喫煙目的施設の対象

大型店舗・大型飲食店の中には「喫煙場所を提供する施設(喫煙目的施設)」が存在します。

・喫煙を主目的とするバーやスナック

バーやスナックなどは、喫煙を自由に楽しんでもらうこともサービスの一環と見なされているのをご存知でしょうか。そのためバーやスナックは「喫煙目的施設」と考えられています。受動喫煙防止の構造設備基準を満たす場合に限り、室内に喫煙目的室を設置することが可能です。

・店内で喫煙可能なたばこ販売店

店内で喫煙を楽しめるスタイルのたばこ販売店も、喫煙を主目的とした施設と判断され、喫煙目的施設の対象となります。

 

ワンフロアの場合

2020年4月施行の受動喫煙対策法の施行に伴い、飲食店でも原則として屋内禁煙になります。店舗内がワンフロアの大型飲食店におすすめの分煙対策が、パッケージ型喫煙ブースの導入です。パッケージ型喫煙ブースとは、喫煙スペースがひとまとめにされている喫煙ブースです。

<メリット>

・ダクトへの接続工事が必要ない

・フィルターでたばこの有害物質やニオイを除去し、屋外に排気してくれる

・あらかじめ決められたサイズが用意されている

・設置場所や喫煙人数によってブースサイズが決められる

・換気設備の導入工事が必要なく、どこにでも設置が可能

 

喫煙室の導入に比べても、コストや施行がお手軽に済ませられます。改正健康増進法では、たばこの煙やニオイが外に漏れないよう厳密な条件が定められています。それらの条件を満たすためには、吸気口や排気口など一定の気流が確保できる換気設備が必要となるでしょう。パッケージ型喫煙ブースなら、条件を満たす設備がひとまとめで提供されます。手早く低コストで分煙対策を行うのであればパッケージ型喫煙ブースがオススメですよ。

 

多階層の場合

複数階を持つ店舗では、フロア分煙も行えます。フロア分煙を行う際の条件や注意点についてお伝えします。まずは以下の標識を所定の場所に掲示しましょう。

 

喫煙室の標識について

1.施設内に喫煙目的室があることを示す

こちらは施設内に喫煙目的室があることを利用者に示す標識です。施設の入り口などに、喫煙目的室があることを示す標識を掲げてください。

 

2.喫煙目的室を示す標識

喫煙目的室を示す標識です。喫煙目的室の入り口付近に掲示しましょう。20歳未満の未成年が入室できないこともグラフィックで併記されています。

 

3.施設が喫煙を目的としていることを示す標識

店内が全面喫煙可の場合、店舗自体が喫煙を目的としていることを示す標識です。こちらも施設の入り口などに掲示して、店舗が全面喫煙可であることを認知してもらいましょう。もちろん20歳未満の未成年は立ち入り禁止です。

 

フロア分煙の場合も、たばこの煙やニオイが外部に漏れないよう中止しなければいけません。各フロアの間は、必ず壁・天井・扉などで区画しましょう。またたばこの煙は上昇する性質があるので、上階を喫煙フロア、階下を禁煙フロアにしてください。

 

まとめ

大型飲食店における分煙対策方法をお伝えしました。喫煙者/非喫煙者双方に快適に利用してもらえる店舗が、分煙対策が行き届いた店舗です。喫煙者/非喫煙者どちらにも満足していただけるので、集客率アップ、業績アップに繋がったという実績を持つ店舗も存在します。分煙対策を徹底することは、店舗にとって大きなメリットがあると言えるでしょう。

 

分煙対策には喫煙専用室、フロア分煙、分煙キャビンなどさまざまな方法があります。どの場合も改正健康増進法に基づいた標識を掲示してください。自店舗にはどのような分煙対策が必要かを早急に見極め、2020年4月に迫った改正健康増進法の全面施行に備えてください。

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