喫煙室へ空気清浄機を設置して受動喫煙対策を行うときの注意点について

喫煙室を設置する場合、喫煙室の外に煙が出ないために工夫をすることも必要ですが、喫煙室内の空気を清浄に保つことも重要になります。つまり、『喫煙室内の空気を入れ替えること』が必要であるわけです。
その換気システムのひとつとして思い浮かぶのが『空気清浄機』でしょう。そこで本記事では、喫煙室内に空気清浄機を設置するときのポイントや注意点、そして空気清浄機の設置以外の分煙方法についても解説いたしますので、喫煙室の設置を検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
空気清浄機は分煙へ効果があるのか
基本的に空気清浄機はハウスダストや空気中のほこり、花粉などを吸いこむのが一般的です。まずは空気清浄機は分煙への効果があるのかという点について解説していきます。
空気清浄機の効果について
前述にも申し上げた通り、空気清浄機は一般的に空気中のほこりや花粉、ハウスダストなどを吸い込むものです。ペットの匂いや食べ物の匂いなどを除去するものも一部ありますが、匂いに関してはすべての匂いを除去できるわけではありません。また、たばこの中の有害物質である一酸化炭素(CO)などのガス成分については、除去できないものもあります。
空気清浄機で分煙はできる?
空気清浄機のみの設置で効果的な分煙ができるかといえば、答えは『NO』です。というのも、たばこの煙に含まれる成分で空気清浄機によって除去できるのは3%ほどで、実質的にはほとんど除去できないからです。
喫煙室に空気清浄機を設置した場合、当然ある程度は空気をきれいにすることができるかもしれませんが、喫煙室の設置には技術的基準という、清浄な空気を保つための基準が定められているので、その基準に満たさない可能性もあるでしょう。
空気清浄機の中にはイオン成分を発生させるとされている、『プラズマ式の空気清浄機』など空気を浄化するとうたっている製品もありますが、たばこの煙に含まれる物質についてはほぼ除去はむずかしいとお考え下さい。
分煙専用の空気清浄機はある?
分煙専用の空気清浄機はあります。しかし、空気清浄機というのは室内全体を循環させながら清浄しているため、局所的に喫煙所からの煙の拡散を防ぐことに適していません。タバコの煙を処理する際には設置位置や排気の向き等に注意が必要になります。また、空気清浄機は吸引口が30~40cm周辺の煙しか吸い込まず、排気の気流によって上昇したたばこの煙が部屋全体に拡散してしまいます。そのうえ、空気清浄機は室内全体の空気を対象にしているため、換気に相当な時間がかかり、完全に集塵するのは難しいというわけです。
分煙対策として空気清浄機を設置するときの注意点
ただし、外に煙を排出するための小窓がついていたり、換気扇がある場合は、空気の循環がある程度できるため、空気清浄機でも喫煙室内の空気清浄ができる場合があるかもしれません。
その場合の注意点について解説していきます。
・常に喫煙室の空気の状態を記録しておくこと
・空気清浄機の清掃をこまめに行うこと
・小窓は常に解放しておくこと
・換気扇は常に回しておくこと
常に喫煙室の空気の状態を記録しておくこと
まず、小窓や空気清浄機があるから大丈夫といって管理を怠ってはなりません。空気清浄機の設置で分煙が認められた場合は、しっかりと喫煙室内の空気の状態を記録しておく必要があるでしょう。もし仮に空気の清浄ができていないとなった場合は、喫煙室とは認められず罰則の対象になる可能性もありますので注意が必要です。
空気清浄機の清掃をこまめに行うこと
たばこの煙は非常に厄介で、壁の色を変えてしまったり匂いがしみついてしまったりすることがよくあります。ですので、喫煙室内に空気清浄機を設置すると、空気清浄機自体にたばこのヤニがついてしまったり詰まってしまったりする可能性があるかもしれません。
清掃やメンテナンスはこまめに行うようにして下さい。
小窓は常に解放しておくこと
密室空間において、喫煙室内に空気清浄機を設置するだけでは、ほぼ分煙は難しいです。というのも先程もうしあげた通り、たばこの匂いや有害物質等の除去は空気清浄機だけでは約3%ほどしかできないからです。
ですので、屋外に面した小窓がある場合でしか空気清浄機による分煙はできないため、小窓は常に解放状態にしておく必要があります。また、小窓を開放しても、近隣の店舗や住宅、公共の施設等を利用する人々に迷惑が掛からないかなどもしっかり確認しておきましょう。
換気扇は常に回しておくこと
また、小窓がなくても換気扇があり、空気清浄機で分煙を行う場合は、換気扇を常に回しておく必要があります。この場合も換気扇の汚染スピードが通常よりも早まる可能性があるので、コマメな清掃は必須です。
空気機以外での分煙対策方法について
ここまで空気清浄機での分煙対策について解説してきましたが、条件等が厳しく、なかなか空気清浄機のみでは分煙はできないということがわかりました。
そこで、ここからは空気清浄機以外での手軽な分煙対策方法について解説していきます。
分煙機を設置する
空気清浄機と似たようなシステムではありますが、たばこの煙を機器内に取り込むことで、煙を周囲に拡散しないようにする、分煙専用のシステムに『分煙機』というのがあります。分煙機はたばこの煙を吸い込み、内部にあるフィルターを通すことで煙に含まれる有害物質の微粒子などを吸着して空気を清浄にする仕組みとなっているため、空気清浄機を設置することで分煙をしようと考えていた方は、分煙専用の空気清浄機『分煙機』を設置してみてもよいかもしれませんね。
エアーカーテンの設置
また、空気の壁を作ることで煙が漏れないようにすることができるエアーカーテンを設置することでも分煙をすることは可能です。ただし、喫煙室と禁煙室の壁や仕切りがなく、『空気の壁』が仕切りとなりますので、店舗等で設置する場合はお客への周知や案内が必須になります。
ただし、これだけでは効果的な分煙がむずかしいため、喫煙スペースには適切な換気設備を設けておくことが必要ですので注意しましょう。
壁材や床材での分煙
喫煙室専用として、ヤニ汚れやニオイを除去しやすい効果のある床材や壁材があります。喫煙室は、時間が経てば経つほどニオイや汚れがしみついて取れなくなってしまうというイメージがありますが、これらの床材や壁材については拭くだけで汚れを落とせて清潔に保てるものや、ニオイの成分の付着を提言できる材質の物などがあります。
これらにおいても、空気清浄機と併用させることで、ヤニ汚れのさらなる低減や、ニオイの除去などに役立つといえるでしょう。
分煙ボックスの設置
分煙を行うには様々な環境作りが必須です。そのための設備回りの導入費なども多くかかってくるようにことでしょう。しかしその点、分煙パーソナルボックスを設置することで、一瞬で分煙を完成させる方法もあります。喫煙室の設置に必要な、技術的基準、喫煙室内の空気の循環等もしっかりできた状態で一つの箱になっているので、置くだけで分煙対策が完了するのです。
空気清浄機や分煙機、エアーカーテンでは少し分煙が難しそうであるという方は、分煙ボックスを設置してみてもよいかもしれませんね。
まとめ
本記事では分煙をする際に空気清浄機を利用できるのか、そして空気清浄機で分煙をするときの注意点などについて解説いたしました。
やはりたばこに含まれる有害物質は厄介なもので、空気清浄機だけでの分煙は難しいです。空気清浄機で分煙をする場合は、
①小窓がある
②換気扇がついている
のどちらかの設備がついているかきちんと確認を行うようにしましょう。
その他空気清浄機での分煙が難しいと判断された方については、今回ご紹介した、空気清浄機以外での分煙方法も参考にしてみてください。
分煙対策くんでは店舗やオフィス等の分煙に関するご相談を承っております。ご相談のある方はぜひ下記のお問合せ窓口からお気軽にご連絡くださいませ。