受動喫煙防止対策において、喫煙者のお客が多いお店の効果的な対処法とは

4月1日に改正された健康増進法により多くの施設は屋内原則禁煙となりました。これは、望まない受動喫煙を防ぐための法律であり、もし違反をするようなことや他人に健康的被害を与えた場合は、罰則が科せられる場合もあります。
とはいえ、喫煙者のお客が多いお店においては全面禁煙にすることで、喫煙者のお客が他店へ流れてしまい、来店しなくなるのではという不安もあるでしょう。
そこで本記事では喫煙者の多いお店の効果的な受動喫煙防止対策の方法について解説してまいります。
目次
改正健康増進法の内容とは?
本題に入る前に、そもそも改正健康増進法とはどのような法律なのか、違反をしてしまうとどのような罰則が科せられるのかという点について概要を解説していきます。
改正健康増進法と受動喫煙防止条例の違い
受動喫煙防止対策を行うにあたって、改正健康増進法と受動喫煙防止条例の2つの言葉を聞いたことがある方も少なくないでしょう。この2つの法令の違いは、全国を対象としたものなのか(改正健康増進法)、東京都を対象としたものなのかの違いです。
引用:http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/information/2018726kt.pdf
日本禁煙額開が発表しているまとめでは上記の表のような違いがあるとされ、改正健康増進法では全体の約40%が禁煙又は分煙を行わなければならないのに対して、東京都の受動喫煙防止条例では、対象店舗のうち約8割が該当します。
罰則については、改正健康増進法が管理者50万円、喫煙者30万円、受動喫煙防止条例については管理者が5万円、喫煙者が3万円の過料を請求されることになっています。
喫煙者だけでなく、管理が行き届いていない経営者も罰則の対象となりますので注意と対策が必要です。
喫煙者のお客が多い業種とは
特に、今回の改正健康増進法や受動喫煙防止条例は喫煙者のお客が多い業種にとって経営に影響を及ぼす可能性もあります。その上、完全禁煙にしていてもマナーを守らない喫煙者が所定外の場所で喫煙をするようになってしまうことで、クレームを招き、これまで必要のなかった対応に追われる可能性もあるでしょう。
ここからは、特に気を付けたい、喫煙者のお客が多い業種をご紹介してまいります。
①居酒屋
これまでのコラムでも居酒屋での喫煙についての話題には触れてきましたが、特に喫煙者のお客の多い業種の一つです。
実際に、JTが行った調査では、飲食店への来店条件について、居酒屋は『たばこを吸える』というのが回答者のうち60%を占めているということが明らかになっています。お酒とたばこをセットで嗜好だとかんがえている方も少なくないかもしれませんが、それだけ、食べ物がおいしい、飲み物がおいしいよりも、一息つける場所としてたばこが吸えるということを重要視している方が多いということがわかるでしょう。
②喫茶店
また、同様の調査で、喫茶店も59.9%の人が『たばこを吸えること』が来店条件として考えており、他にも一人で入りやすい、食べ物がおいしいなどの項目がありましたがいずれも回答者は40~50%程度で、たばこを吸えることを選んでいる方が多くいるということがわかります。
③パチンコ店
パチンコ店といえばたばこの匂いがする場所というイメージのある方もいらっしゃるほど、パチンコ店は喫煙者のお客の割合が多い業種の一つです。
実際に、パチンコ店に来店するお客のうち過半数以上が喫煙者であるとも言われています。
④ネットカフェ等
最後、ネットカフェやカラオケも喫煙者の多い業種であるといえるでしょう。これまではネットカフェやカラオケも喫煙ルームと禁煙ルームに分かれていたり、部屋に吸い殻があらかじめ置いてあったりト喫煙者の需要に考慮したサービスもありました。
喫煙者のお客が多い業種で受動喫煙防止対策をするには
とはいえ、喫煙者のお客が多いからといってこれまで通りに自由に喫煙を行ってよいわけではありません。一部、小規模な居酒屋や喫茶店などの飲食店については完全禁煙にすると経営に影響を与える可能性があることから経過措置として、従来と変わらず営業を続けられる場合もありますが、それ以外の店舗についてはすべて完全禁煙なり、分煙なり、受動喫煙防止対策をとる必要があります。
ここからは、喫煙者のお客が多いお店が今後も変わらず喫煙者のお客を集客するために知っておきたいことについて解説していきます。
分煙対策を行う
1つは、分煙対策を行う方法です。分煙対策といっても、
①お店の中の一角に喫煙室を作る方法
②分煙ボックスを設置する方法
③加熱式たばこのみ喫煙できる喫煙室を設置する方法
などがあげられます。
①②の2つの手法については、加熱式たばこも紙巻きたばこも同じ場所で喫煙をすることができますが、この場合、専用室内での喫煙以外の行為を行うことはできません。
例えば、飲食、パチンコやカラオケなどの遊技です。
また、業務内であっても20歳以下の立ち入りはできませんので注意しましょう。
一方、③の加熱式たばこ専用室を構築する方法では、加熱式たばこ以外のたばこ(紙巻きたばこなど)の喫煙はできませんが、この場所でのみ飲食を行うことが可能です。ただし、団体での利用者の場合、1人でも20歳以下の方がいれば加熱式たばこ専用室へは入ることができません。
屋外に喫煙所を設置する
改正健康増進法では屋外での喫煙について決められたルール等はありませんが、厚生労働省が発表した内容によりますと、非喫煙者への望まない受動喫煙を防ぐためにも屋外での喫煙について考慮や配慮をする義務があるとされています。
要は、屋内が全面禁煙だから、屋外での灰皿設置は出入口付近でも問題ないというわけではないということです。
屋外にも受動喫煙防止対策として分煙ボックスや喫煙所を設置することで、誰もが過ごしやすい空間を作ることができます。
まとめ
喫煙者のお客の来店が多い、居酒屋、喫茶店、パチンコ店、ネットカフェ等については、特に改正健康増進法が施行されることによって集客に悩んだり、影響したりする部分があるかもしれません。
ですが、今回の改正健康増進法が施行された理由は誰もが過ごしやすく、快適なお店を作るためのものです。逆に分煙をしっかりしていて、喫煙者からも非喫煙者からも喜ばれる環境を作っていれば、これまでよりさらに多くのお客にめぐまれる可能性もあるでしょう。
喫煙者の多いお店の分煙、受動喫煙防止対策については分煙対策くんのお問合せ窓口までお気軽にご連絡ください。