【分煙】居酒屋での喫煙席のあり方と注意点について

食べ物とお酒を主に扱う『居酒屋』にとって、『たばこ』との関係は切っても切れない関係であるといっても過言ではありません。実際に、お酒とたばこをセットで考えているという方も多いでしょう。
しかし、4月1日に改正された健康増進法により、居酒屋ではこれまで通りにたばこを吸うということができなくなりました。それは喫煙席の用意があっても同様です。
本記事では、居酒屋における今後の『喫煙席のあり方』について解説してまいります。
目次
改正健康増進法で喫煙OKだった居酒屋が変化したこと
まず、改正健康増進法が施行されたことで、これまで喫煙OKだった居酒屋にどんな変化があったのか、よくわからないという方も少なくないでしょう。それに、改正健康増進法が施行された4月1日は、ちょうど新型コロナウイルスの感染が日本でも拡大してきたころで、営業自粛に向けた準備をしていたという店舗もあったはずです。
とはいえ、コロナウイルスの騒動にまぎれて改正健康増進法の内容を全く知らず、これまで通りに喫煙をしていた!などというウッカリはもちろん許されません。
ここからは、改正健康増進法で喫煙OKだった居酒屋がどのように変化したのかというところをおさらいしていきます。
①原則屋内禁煙になった
1つ目は原則屋内禁煙になったという点です。ただ、原則と名のある通り、一定の条件を満たした場合のみ喫煙が可能になります。屋内での喫煙が可能になる店舗の条件は下記です。
- 技術的基準を満たした分煙対策を行った店舗
- 小規模店舗に該当する店舗で、『喫煙可能店』の申請をし、承諾された店舗
上記に該当する店舗以外は屋内で喫煙をすることはできなくなりました。
②屋内に喫煙室がある場合は看板の掲示が義務化
2つ目は、屋内に喫煙をする場所がある場合、それを示す看板を出入口付近の目につきやすい場所に掲示しなければならなくなったことです。
仮にこの看板が、目につきにくい場所、もしくは掲示されていない場合は罰則の対象となる可能性もありますので、屋内に喫煙ができる環境を構築した場合は必ず掲示をしておくようにしましょう。
③従業員に受動喫煙をさせないよう努力義務
3つ目は、居酒屋で働く従業員に望まない受動喫煙をさせないよう、経営者や店舗の責任者は努力をしなければならなくなったという点です。もし、従業員から『たばこの匂いが苦手なのに喫煙室の掃除を命じられた』などの相談があり、改善が見られないなどの例があった場合は、こちらも罰則の対象となる可能性がありますので注意しましょう。
居酒屋における喫煙席の形態について
上記での解説のように、居酒屋における喫煙席の在り方は、これまでの在り方とはすこし変わってくるということです。
ここからは、居酒屋における喫煙席の形態について解説していきます。
エリア別分煙による喫煙席の確保
まずは、エリア別分煙による喫煙席の確保です。
エリア別分煙は、飲食店でよくみられる分煙形態、『ここからここまでが禁煙エリア、ここからここまでが喫煙エリア』と分かれている形態を指します。ただし、間仕切りなどが設けられていないと、結果的に喫煙エリアの煙が流れてしまうことにもなりかねませんので、エアーカーテンを設置したり、仕切りなどを設置したりする必要があります。
ただし、この場合の『喫煙席』で注意をしておきたいのが、席についてたばこを吸いながら喫煙ができるのは、加熱式たばこ専用喫煙席とした場合のみです。要は、紙巻きたばこの喫煙は飲食と同時にすることができませんので注意しましょう。
フロアで分けて喫煙席を確保
続いてはフロアで分けて喫煙席を確保する方法です。
簡単に言えば、1階を禁煙、2階を喫煙席としているタイプで、たばこの煙は上に登っていく性質がありますから2階の煙が下に降りてくる可能性はほとんどありません。ただし、万が一煙が漏れてしまってはなりませんので、1階から2階につながる連絡通路、ないし階段等の入り口につきましてはきちんと定められた技術的基準をクリアしている必要があるといえるでしょう。
喫煙ボックスを設置する
上記までにご紹介したように、お店の一角に喫煙室・喫煙席を設けるという形もありますが、喫煙ができるパーソナルボックスを設置することで省スペースな分煙をすることも可能です。
というのも、加熱式たばこは別ですが、通常喫煙をする場所では喫煙以外の行為はできないことになっているため、喫煙室内への滞在時間はあまり長くないと考えられるでしょう。
加熱式たばこの専用室の場合は、飲食も同時にできるので幅広くとっても良いかもしれませんが、紙巻きたばこの喫煙をさせる場合には喫煙ボックスを設置することで簡単に分煙を行うこともできます。
居酒屋が喫煙OKにするときの注意点
では最後に、居酒屋が喫煙OKにするときの注意点をまとめます。
①喫煙室に20歳以下は立ち入れない
1つ目は、喫煙室に20歳以下のお客、従業員が立ち入ることができないという点です。従業員を雇っている場合、掃除等を業務の一環としてさせたりする場合もあるかもしれませんが、20歳以下の従業員には業務内であっても喫煙室へ立ち入らせることはできませんので注意しましょう。
②喫煙室では飲食ができない
加熱式たばこの専用喫煙室の場合以外は、喫煙室での飲食等はできません。つまり、喫煙室は喫煙をする場所のみであるということです。
③喫煙可能店とする場合は、20歳以下が立ち入れない
分煙ではなく、喫煙可能店の申請をしてこれまで通りの喫煙をさせる場合は、20歳以下のお客は立ち入ることができませんのでこちらも注意が必要です。
居酒屋で20歳以下の常連客がいるということは考えにくい可能性もありますが、大学に近い場合、学生に人気の居酒屋の場合は、喫煙可能店の申請をする前にお客の比率等も考える必要があるでしょう。
④喫煙室を設置する場合は技術的基準を満たす必要がある
また、喫煙室を設置する場合は、厚生労働省が定める技術的基準を満たしているかどうかも入念にチェックしなければなりません。もし技術的基準を満たしていなかった場合は、禁煙室に煙が流れ込むことで禁煙室にいたお客からクレームを受けたり、ひいては罰則の対象となる可能性もあります。
まとめ
居酒屋は飲食店の中でも特に喫煙者のお客が多い業種であるといっても過言ではありません。ましてや、改正健康増進法の内容を詳しく知らないお客側から、『喫煙席でお願いします』といわれることもあるでしょう。
その場合は、非喫煙者・喫煙者両方からのクレームを防ぐためにもお店側から適切な説明が必要ですし、その場合にしっかりと分煙をしてあると喫煙者のお客も肩身が狭い思いをせずに安心して食事を楽しむことができるはずです。
居酒屋の分煙を考えている方、喫煙室の設置を考えている方はぜひ下記のお問合せ窓口からお気軽にご相談ください。