飲食店の分煙で『加熱式たばこ喫煙室』が増える理由とは

『加熱式たばこ喫煙室』とは、4月に改正された健康増進法で、第二種施設においては唯一喫煙室内で喫煙以外の行為ができる喫煙室です。

尤も、通常の喫煙室内では飲食などの喫煙以外の行為をしてはならないと取り決めがされています。飲食店ではたばこを吸いながらお酒や珈琲、料理等をいただくスタイルであった店舗も多くありますので、健康増進法が改正されたのちは『加熱式たばこ喫煙室』の構築や、検討をしている方も少なくないといいます。

本記事では飲食店で『加熱式たばこ喫煙室』がなぜ需要があるのか、そして加熱式たばこ喫煙室構築における法で定められた規定について解説してまいります。

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加熱式たばことは

そもそも加熱式たばことは、JTの定義によりますと、

『たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させず、加熱により、発生する蒸気(たばこベイパー)を愉しむ製品』とされています。また、火を使わず、熱を加え発生する蒸気を吸い込むことになるので、たばこ特有の煙やニオイを防ぐことができます。

加えて、加熱式たばこと似た種類に『電子タバコ』という製品名を聞いたことがあるかもしれませんが、この『電子タバコ』については日本国内で販売されているものはありません。加熱式たばこはたばこ葉を使用しており、sの香りを蒸気で楽しむことができる製品である一方、電子タバコの場合はたばこ葉を使用していないという点が大きな違いです。

基本的には日本で販売されているたばこは、紙巻きたばこか、加熱式たばこのどちらかであると思っていただいて問題ないでしょう。

飲食店の分煙で増える『加熱式たばこ喫煙室』

飲食店をはじめ、多くの施設では通常の喫煙室内においては喫煙以外の行為をすることは認められていませんが、加熱式たばこ喫煙室の場合のみ、その他のサービス提供およびサービスを受けることを認められています。

ここからは飲食店が分煙として『加熱式たばこ喫煙室』を構築する理由と、今後増加していく可能性などについて言及してまいります。

・飲食店で加熱式たばこ喫煙室の設置が増える理由

先述にも申しあげた通り、飲食店は居酒屋や喫茶店等業態によっては喫煙者のお客が50%以上を占めている場合もあります。その場合屋内のすべてを禁煙にしてしまうとどうしても喫煙客の集客に穴が開いてしまい客足が遠のくことで、売り上げ低下も懸念されるのです。

しかし、その点加熱式たばこ喫煙室の場合は飲食をしながら喫煙ができるので、加熱式たばこの喫煙者はこれまでと変わらない環境で食事も喫煙も楽しむことができます。

加熱式たばこ喫煙室を新たに作るときのポイント

従来の紙巻たばことは異なり、加熱式たばこは、専用たばこを専用機器で加熱したり、蒸気化させたリキッドをたばこ葉の詰まったカプセルに通したりすることで、ニコチンを含んだ蒸気を吸う。火をつけて燃やさないためタールなどが発生せず、紙巻たばこと比べると、有害物質は約9割低減されているとされる。

実際、東京の新橋にあるワインバーでは、以前マでたばこの匂いがワインの香りを邪魔するため、店内禁煙にしてたのですが、加熱式たばこであれば匂いも気にならないということで、2年前から加熱式たばこのみOKにしたのだといいます。それにより、加熱式たばこ喫煙者はもちろん、たばこが苦手な非喫煙者の来店も増えました。

加熱式たばこ喫煙室を設置する飲食店が増える理由は、まさに喫煙者も非喫煙者も同時に来店数を増やすことができるという点でしょう。もちろん分煙の方法としては、喫煙室を作ることということも挙げられるわけですが、この場合は、喫煙以外のことはできないので結局は外に出て吸うのも同じだと感じる喫煙者もいるようです。

・加熱式たばこの喫煙者も増えている

従来の紙巻きたばことは異なり、加熱式たばこは、専用機器で加熱したり上記かさせたリキッドをたばこ葉の詰まったカプセルに通したりすることで、蒸気を吸うことになります。火をつけて燃やすわけではないのでタールが発生せず紙巻きたばこと比べると有害物質は約9割低減されているとされます。

そんなことで、従来の紙巻きたばこよりいくらか健康被害が少ないことから、加熱式たばこの喫煙者も増えてきています。実際、消費者の間では、『加熱式たばこ特有の匂いはある』という評価もあるものの、『これなら煙や臭いも気にならない』という声が少なくありません。それゆえ、新宿や渋谷、池袋といった都内のターミナル駅周辺では『加熱式たばこ喫煙所』を謳うスポットが増え始めているほどです。

海星健康増進法が施行された今、お酒とたばこ、コーヒーとたばこ等、休憩や嗜好においてセットで考えられがちなそれらを実現するためにも、紙巻きたばこから加熱式たばこに変更した喫煙者も少なくないかもしれません。

加熱式たばこ喫煙室における規定

加熱式たばこは従来の紙巻きたばこに比べて、ニオイや有害物質も低減できるとされていますが、だからといってどこでも喫煙ができる環境にしてよいだとか、特別規定がないということではありません。

飲食店が加熱式たばこ喫煙室を構築する場合は、下記の規定に沿う必要があります。

①禁煙室との区画

②匂いの漏れを防ぐため、喫煙室の煙は屋外に排出

③非喫煙者の導線上に設置しない

④出入口の風速を毎秒0.2m以上確保する

⑤標識で加熱式たばこ喫煙室があることを示す

⑥20歳以下のお客、従業員ともに立ち入り禁止

①禁煙室との区画

まずは、喫煙室構築における厚生労働省が定めた技術的基準にもあるように、喫煙室と、禁煙室は区画などで仕切る必要があります。これはたばこの煙が漏れないようにするためで、壁、もしくは煙が上にのぼっていく性質を生かして天井を仕切る方法も認められます。

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②喫煙室内の空気を清浄に保つため喫煙室の煙は屋外に排出

また、喫煙室内は区画等をして密閉空間となりますので、空気の循環を行わなければ喫煙室内の空気を清浄に保つことができません。そのため、加熱式たばこ喫煙室内で発生した煙はすぐさま屋外に排出できる仕組みを導入することも重要です。

たばこの煙の粒子は空気清浄機等をすり抜けてしまう可能性があるともいわれているので、たばこ専用の脱臭機と、換気扇等はしっかりとつけておくようにしましょう。

③非喫煙者の導線上に設置しない

煙の対策をきちんと行っていても、やはり少しは匂いが漏れてしまう可能性などはあるものです。小さなお子様が来店する可能性もありますので、レジやお手洗い等、非喫煙者の導線となる部分への設置は避けるようにしましょう。

④出入口の風速を毎秒0.2m以上確保する

こちらも区画同様に、たばこの匂いが禁煙室に流れ込むのを防ぐための規定です。出入口が開いたときに出入口に空気の循環がなければ匂いがとどまり、蔓延してしまう可能性があります。

この風速についてはスマホアプリなどで計測も可能であるそうですので、ぜひ試してみるか、役所等に基準を確かめてもらうこともできますので、ぜひそのようなサービスを利用してみてください。

⑤標識で加熱式たばこ喫煙室があることを示す

厚生労働省は、飲食店などの店内に喫煙ができる環境がある場合、それを示す標識の提示をしなければならないとしています。

加熱式たばこ喫煙室を設置した場合、店舗の入り口、そして店内、加熱式たばこ喫煙室の扉などに設置しなければなりません。仮にこの標識が曖昧な場所や見えにくい場所に設置されている場合や、そもそも設置されていない場合などは罰則の対象ともなりますので注意が必要です。

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⑥20歳以下のお客、従業員ともに立ち入り禁止

お客からしてみると、加熱式たばこ喫煙室は飲食をしながら喫煙をすることができるため、これまで通りに同伴に未成年がいたとしてもその子が良いといえば一緒に食事を楽しみたいと思われるかもしれません。

しかし、加熱式たばこ喫煙室には20歳以下の方は入室することができませんので、仮にグループで来店し、加熱式たばこ喫煙室への入室を望んでもだれか一人未成年がいれば、入室することはできないということです。

これは、お客だけでなくて、20歳以下の従業員も同様で清掃等の業務上であっても、経営者は該当する従業員を入室させることはできませんので念頭に入れておく必要があります。

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まとめ

飲食と喫煙が同時にできるとして、飲食店では特に設置する店舗が増えてきている『加熱式たばこ喫煙室』。加熱式たばこの喫煙者も増えてきているうえに、健康被害が少ないという報告があることから非喫煙者からの同意を得やすい嗜好品であるとも言えます。そのため、喫煙者非喫煙者どちらの集客も行えるという点では、『加熱式たばこ喫煙室』の構築はメリットの大きいものです。

しかしながら、紙巻きたばこ喫煙者への対応はどうするのか、様々な規定への対処はどうするのか等、設置を検討する上で壁となる事項は多々あります。

加熱式たばこ喫煙室を検討されている方は、ぜひ、一度自店舗の喫煙率やそのうちの加熱式たばこの喫煙者はどのくらいなのか、20歳以下のお客の割合はどのようなものか、調査しておくとよいかもしれませんね。

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