分譲マンションのたばこ問題は『分煙』で解決

分譲マンションなどの集合住宅は、多くの人々が共存する場所です。特にエントランスホールやエレベーターゴミステーションなどは、住人同士が協力してきれいな状態を保っておかねばなりませんし、他の住人に迷惑をかけるような行為は、クレームにつながる可能性もあります。

ひいては、マンション自体の良くないうわさが口コミで広がり、マンションの空室がでてもなかなか埋まらないといったことにもなるかもしれません。

ところが、分譲マンションのエントランス等ではたばこの喫煙を禁止しているところも多いものの、出入口付近でたばこを吸ったり、吸い殻がポイ捨てされてあったりということから、『たばこ』に関するトラブルが増加傾向にあるようです。

そこで本記事では分譲マンションにおけるたばこ問題を解決する方法についてご説明してまいります。

分譲マンションなどの共同住宅におけるたばこ問題

戸建住宅と違い、分譲マンションなどの共同住宅は、たばこの煙や灰などによる臭いがダイレクトに伝わります。分譲マンションにおいてたばこ問題は避けては通れない住人同士のトラブルの一つであるでしょう。

まずは、分譲マンションなどの共同住宅でのたばこ問題の実情から解説していきいます。

たばこ問題の実情

下記の図は、穴吹ハウジンググループが2010年~2014年に行った共同住宅におけるたばこに関する相談事例です。

詳細ページ

年を追うごとに『たばこ』に関する相談件数が増加傾向にあること、相談内容の順位が変化していることが解かります。中でも吸い殻に関する相談例が最も奥、その他、煙害やにおい、エントランス等共用部での喫煙での相談例も増えているようです。

特に、近年では分譲マンションのエントランスなど共用部では喫煙が禁止されているところも多いですので、ルールを破った喫煙、また、敷地内の屋外で吸ったたばこの吸い殻などがトラブルへとつながっているとも考えられるでしょう。

健康増進法の改正について

これまでのコラムでも何度か特集いたしましたが、2020年の4月1日より、健康増進法が改正され、2人以上の人々が出入りする共同施設においては原則屋内禁煙となりました。

ただ、分譲マンションの場合は少々特殊で、個人の住宅内(ベランダを含む)はプライベート空間とみなされ、喫煙に関するルールは適用外です。そのため、分譲マンションで屋内において喫煙ができない場所は、共用部分になるということになります。

とはいえ、改正健康増進法は、すべての人々が健康に過ごすため、受動喫煙をなくすための法律であり、学校や病院、公共交通機関や事務所・工場、飲食店などのいわゆる特定施設以外の『屋外や家庭など』であっても、喫煙を行う場合は周囲の状況に配慮しなければならないとされています。例え自宅のベランダで『プライベート空間』であるとしても、知らぬ間に受動喫煙をさせていないかなど周囲への配慮をしなくてはなりません。

改正健康増進法は、違反したら罰則が!?受動喫煙防止のルールと分煙対策のポイントをおさらい

 

分譲マンションにおける屋外での禁煙について

賃貸アパートなどでは、近隣の住人とベランダが隣り合わせになっていることも多いことから、居室部分を含む建物内および、敷地内の喫煙を完全に禁止にした禁煙マンション・禁煙アパートが現れてきております。また、分譲マンションでも、賃貸アパートほどではありませんが新築分譲時からベランダでの喫煙を禁止する使用細則条項を設けているケースが増えてきました。

つまり、改正健康増進法では居室部分はプライベート空間とみなされるため喫煙に関するルールは設けられていないが、近隣の住人の健康に被害を及ぼす可能性があることから、屋外を含む分譲マンション内のすべてを喫煙禁止にしているということです。

分譲マンションでのたばこ問題は裁判沙汰にもなりかねない

また、分譲マンション等共同住宅でのたばこ問題は、裁判沙汰にもなりかねません。というのも、平成24年12月13日名古屋地方裁判所の判決で、『マンションのベランダで喫煙を継続する行為が、不法行為として認められるか』が争われた例がありました。

マンションの上階に住む原告が、真下に住む被告がベランダで吸うタバコの煙が原告の室内に流れて来ること、それによって体調が悪化したこと等から、被告に対しベランダでの喫煙を止めるように再三にわたり求めたのに、被告は喫煙を継続したことで損害賠償を求めて提訴しました。

被告側は『所有の建物内であって私生活における自由が尊重されるべき』などと主張しましたが、自己の所有建物内であっても、いかなる行為も許されるというものではなく、当該行為が第三者に著しい不利益を及ぼす場合には制限が加えられることがあるのはやむを得ないという判決になり、5万円の賠償を支払うことになったということです。

このように、自宅だから何をしてもよいというわけではなく、他人に迷惑をかけ、ましてや体調に被害を及ぼしているのであれば話は別になります。分譲マンションなどは多くの人々と共同で暮らす場所になりますので、周りに住んでいる人々も不安なく暮らせるよう配慮しなければなりません。

そして今後は、改正健康増進法が施行されてたことで、たばこに関する取り締まりはさらに厳しくなっていくことでしょう。

分譲マンションでたばこ問題を解決する方法

とはいえ、分譲マンションは多くの人が住む場所ですから、中には喫煙者が居住している場合もあるはずです。突然、施設内では居住空間もすべて喫煙禁止だといわれれば、喫煙者の肩身が狭くなりクレームに発展する可能性もあるかもしれません。

そこで喫煙者も非喫煙者も快適に過ごすことができる空間作りができるのが『分煙対策』です。分煙といえば、飲食店等で対策を行っているのを目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、施設内の一角に喫煙ができるスペースを作ることで、喫煙者がたばこを吸うことができる空間を作ってあげることができるようになります。

ここからは、分譲マンションでできる分煙対策について解説いたします。

分煙ボックスを設置する

分譲マンションの多くは1階に居住空間はなく、ごみステーションやエントランス、駐輪場、ラウンジなどの共用空間なのではないでしょうか。分譲マンションで分煙をするなら、ここの空間をうまく使うことで賢く分煙をすることができます。まず最初にご紹介するのは、分煙ボックスの設置です。

分煙ボックスとは、いわゆる電話ボックスのようなパーソナルボックス内で喫煙ができるボックスのことで、場所さえあれば、置くだけで分煙をすることができます。また、分煙ボックスより外に煙が漏れないよう特殊なシステムも搭載されているので、屋内に設置してもたばこの煙によるクレームなども起きることはありません。

特に、分煙ボックスはデザインや広さなどを多用に選択することができますので、マンションの内装になじむ分煙ボックスを選択すれば、インテリアのような具合に設置することもできます。また、設置場所も選びませんので屋外に設置することも可能です。

喫煙室を構築する

2つ目は、分譲マンションの中の一角を工事して喫煙ができる場所を構築するパターンです。この場合、新たに喫煙室を作ることになりますので、喫煙室より外にたばこの煙が漏れないための分煙機の設置等が必要になってきます。また、内装工事なども必要ですので、住人への周知も同時に必要になってくるでしょう。

分煙における詳しい基準については下記の記事にて解説しておりますのでご覧ください。

喫煙室を設置する際の技術的基準とは?適切な基準を知って効果的な分煙対策をしよう

いずれの場合も、マンション内に喫煙をすることができる場所があるということを示す看板の掲示も忘れずにしなければなりません。仮に看板が設置されていなかったり、見えにくい場所に設置されていた場合も罰則の対象となりかねませんので注意しましょう。

まとめ

本記事では、分譲マンションにおけるたばこ問題と、たばこ問題を解決する『分煙対策方法』について解説しました。分譲マンションでも賃貸アパートでも戸建て住宅でもそうですが、居住空間はプライベート空間とされているので、何も気にせず喫煙をしてもよいと考えがちですが、そうではありません。

他の住人に健康的、精神的被害を及ぼせば、それは迷惑行為ともなりかねないのです。そして、被害を被った住人は管理人へと報告するはずですから、解決できなければマンション自体の印象を悪くしてしまう可能性もあります。

こうした事態をふせぐためにも、そして喫煙者も非喫煙者もどちらも快適に生活することができるよう、分譲マンションでも分煙対策を行ってみてはいかがでしょうか。

分譲マンションにおける分煙については下記のお問合せ窓口からお気軽にご相談ください。

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