パチンコ大手ダイナムも4月から完全分煙化!その背景とは?

今年4月の改正健康増進法の完全施行に伴い、分煙対策が迫られているのはパチンコ店も例外ではありません。喫煙率が50%以上ともいわれるパチンコ店においては愛煙家の常連客を手放さない為にも分煙対策を行って行きたいところですが、分煙化を先駆けてパチンコ大手ダイナムでは、5店舗が先行して完全分煙化を行いました。更に4月の改正健康増進法完全施行に向けては、他の店舗406店舗も完全分煙とするのだそうです。

今回は、パチンコダイナムが行った分煙方法、また、5店舗が先行して完全分煙とした結果は実際どうだったのかというところについてご紹介していきたいと思います。

完全分煙化に10億円!?

パチンコダイナムは2020年1月15日に、『ダイナム2020完全分煙化プロジェクト』として、2020年4月から同社全店舗の『完全分煙化』を発表しました。同社はこれまで蓄積してきた先行実験店舗5店舗の工事費用や臭気対策の結果データや、完全分煙型ホール『ダイナム信頼の森』の検証データを参考に業界全体の分煙化を行っていく方針です。

また、同社藤本社長は、ダイナム全店舗を完全に分煙化することで、安全の担保されない加熱式たばこによる受動喫煙もなくし、パチンコ業界自体の分煙化を推進していくことについても言及しています。

喫煙室の工事費用は1店舗あたり約250万円で、グループ全体ではこのプロジェクトの費用として約10億円を見込んでいるといいます。

なぜ、10億円という多大なるコストをかけてすべての店舗で完全分煙を行うのでしょうか。それは、パチンコユーザーの過半数が喫煙している状況において、非喫煙者の遊技を遠ざけている可能性があるからだといいます。ダイナムは分煙をすることで非喫煙者などの見込み客の来店を促し、喫煙者の常連客などももちろん離さないという方針を取ることで、いわば、将来収支が合うことを見込んだのです。

実際に、『ダイナム2020完全分煙化プロジェクト』において、プロスカッシュプレイヤーの松井千夏選手と杉本梨沙選手をゲストに迎えて、『パチンコと健康』をテーマにトークセッションを行った際、それぞれ、パチンコホールの分煙かは女性客や若者にプラスになるという意見があがりました。

先行して完全分煙とした5店舗の結果

先行して完全分煙化を行った店舗は、『ダイナム宮城仙台新港店』、『栃木小山喜沢店』、『滋賀高島店』、『新小岩店』、『鳥取安長店』であり、それぞれで喫煙専用室のスペースなどは異なります。

これらの先行実験で、店外と店内の喫煙状況については『滋賀高島店』では店内喫煙室が53.4%、店外喫煙室が46.6%となり、店内の喫煙室の利用が多いことが分かりました。また、この実証実験を踏まえて、今後他の店舗に店外に喫煙室を設けた際も、副流煙が店内に流入しないよう、出入り口から3メートル離して屋外喫煙室を設置していくとのことです。

更に、先行5店舗に分煙切り替え時に行ったアンケートの結果では、来店客の約10%が過去1年間に遊技をしていなかった客層だったとし、分煙は、少なからず潜在層のユーザーを掘り起こす可能性が高くなることが分かりました。

これらの先行実験の結果を受けて、全店舗完全分煙化に向けた分煙対策の標準仕様は下記4点になると報告しています。

①ホール喫煙専用室の設置

②バックヤードの従業員喫煙室の設置

③自動吸い殻回収装置への蓋の設置

④喫煙室入口、店舗出入口への喫煙種別看板の設置

①ホール喫煙専用室の設置

店内の喫煙室の利用が多かったことから、パチンコホール内に喫煙専用室を設置することで、喫煙者の来店離れを防ぎます。

②バックヤードの従業員喫煙室の設置

従業員の喫煙室を設置している店舗は以外にも少ないものですが、ダイナムは喫煙室の店員を9名ほどとしていることもあり、より多くの喫煙者に喫煙室が利用できるよう、従業員用の喫煙室を設置します。

③自動吸い殻回収装置への蓋の設置

吸い殻入れからニオイが漏れて、喫煙室内にニオイが充満したり、もしくはそのニオイが禁煙室へと流れ出てしまう可能性があります。改正健康増進法では、喫煙室内の空気を清浄に保つことや、屋外への煙の排出などが義務付けられていますが、そのような条件に対する対策として、吸い殻回収装置への蓋の設置があげられます。

④喫煙室入口、店舗出入口への喫煙種別看板の設置

改正健康増進法の喫煙室設置の条件として、ただ、喫煙室を設置するだけではなく、『ここが喫煙室です』というような標識を掲示しなければならないという決まりがあります。それも、曖昧なものや誤解を招く内容ではいけませんので、しっかりと喫煙種別(紙巻きたばこか、加熱式たばこか等)を記載しなければなりません。

完全分煙化による影響

パチンコダイナムの分煙店舗は遊技場は全席禁煙です。先行5店舗に次いで分煙店舗としてリニューアルした店舗はなんと32店舗です。

これまで台を選ぶときに『隣の人の喫煙を確認する』『風向きによってたばこの煙が来ないところを選ぶ』『隣の人がたばこを吸いだしたら席を立つ』といった方や、『そもそもたばこのニオイがイヤでパチンコに行かない』といった方も分煙化により受動喫煙を心配する必要がなくなります。

また、ダイナムの分煙店舗には喫煙専用室が設置されているので、喫煙者もたばこを吸う際に肩身の狭い思いをせずに専用ルームでゆっくりたばこを吸うことができます。もちろん離席中には専用のカードを席においてから席を立つことができますので、安心です。

こうした完全分煙化による遊技層への影響については、分煙化した店舗と、喫煙化の店舗の客層を比較したところ、完全分煙化の店舗のほうが男女とも60、70代の客層の来店率が高くなっていることが分かっているといいます。

このように、完全分煙化は健康思考のために来店しなかった高齢者の来店はもとより、女性客や潜在層の顧客の来店にもつながる可能性があるといえるでしょう。

ちなみに、パチンコ店の分煙対策方法は下記の記事に詳細を解説しておりますのでご覧ください。

喫煙率50%以上のパチンコ店も原則屋内喫煙禁止に。分煙対策をすれば喫煙も可能?

まとめ

パチンコダイナムは、『たばこを吸う人も吸わない人も楽しめる遊技場』を目指して完全分煙のパチンコ店を展開していくとのことです。パチンコ店の分煙は、これまでに来店していた愛煙家の常連客をキャッチするのはもちろん、たばこの煙が苦手であった客層の来店も見込めることから、そのメリットは大きいと言えるのではないでしょうか。